組み分け

次の場合は何通りあるか。                                  

(1)7人をAB2つの部屋に分ける。ただし一人もいない部屋はないものとする。

(2)7人を2つのグループに分ける。

(3)9人を3人ずつABC3つの部屋に分ける。

(4)9人を3人ずつ3つのグループに分ける。

(5)9人をABC3つの部屋に分ける。ただし1人もいない部屋はないものとする。

(6)9人を3つのグループに分ける。ただし1人もいない部屋はないものとする。

(7)6人をABC3つの部屋に分ける。ただし誰もいない部屋があっても良いものとする。

(8)6人をABC3つの部屋に分ける。ただし1人もいない部屋はないものとする。

(9)7人を3人、2人、2人の3つのグループに分ける。

場合の数の基本の、「積の法則」「順列」「組合せ」の基本の考え方の練習になります。

(1)7人をAB2つの部屋に分ける。ただし一人もいない部屋はないものとする。

迂遠なので、試験などでは、後の解き方で解くとして、ここは、場合の数単元の公式を使いこなすための練習として、あえて組合せの式でも解いてみましょう。

7人を2つの組に分けるとき、人数の分かれ方は、

1と6  A組になる1人を7人から選べば、残りは自動的にB組なので、\(_7C_1\)

2と5 A組になる2人を選べばよいから、同様に\(\:_7C_2\)

3と4 同様に\(\:_7C_3\)

4と3 同様に\(\:_7C_4\) ですが、計算上は7個から3個選ぶ事と同じ(4個選ぶことは残る3個を決めて(選んで)いることと同じ)なので\(\;_7C_3\)と同じ

5と2 同様に\(\;_7C_5\) ですが、これも計算上は7個から2個選ぶことと同じですから\(\;_7C_2\)と同じです

6と1 同様に\(\;_7C_6\)は、\(\;_7C_1\)と同じ

全部足すと、

\(_7C_1+_7C_2+_7C_3+_7C_4+_7C_5+_7C_6\)

\(=7+\dfrac{7\cdot6}{2}+\dfrac{7\cdot6\cdot5}{3\cdot2}+\dfrac{7\cdot6\cdot5}{3\cdot2}\)

\(+\dfrac{7\cdot6}{2}+7\)

\(=7+7\cdot3+7\cdot5+7\cdot5+7\cdot3+7\)

\(=7\cdot(1+3+5+5+3+1)=7\cdot18=126\)

あえて組合せの公式でやってみましたが、

この後の解き方が効率的であることがすぐに分かると思います。

通常の解き方です。

7人の人を①~⑦とすると、

①の人がA、Bどちらの部屋に入るかで2通り、

同じく

②の人がA、Bどちらの部屋に入るかで2通り、

\(\qquad \qquad \qquad \vdots\)

積の法則です。

全部で\(\;2^7=128\qquad 128\;\)通りですが、ここから、全員\(\:A\:\)部屋の場合と全員\(\:B\:\)部屋の場合の\(\:2\:\)通りを引くと、

\(128-2=126\qquad 126\:\)通り

積の法則を簡単に確認していきます。

簡単にするために人数を3人、部屋を二つにします。

①~③の3人がA,Bの2部屋に分かれます。

何通りになるのか。

①の人がA,Bどちらの部屋に行くかで2通り、

①の人がAの部屋に行った場合で、②の人がA,Bどちらの部屋に行くかで2通り、①の人がBの部屋に行った場合も同様に②の人がA,Bを選べるので、2×2の4通り、①の人がA②の人がAを選んだ場合で③の人がA,Bどちらを選ぶかで2通り、①②の人のA,Bの組み合わせ、全部で4通りのそれぞれについて③の人のA,B2通りがあるから、4×2=8通りある。

上の樹形図の通り、2×2×2=8通りである。

(2)7人を2つのグループに分ける。

今度は例えば、①~⑦の人が①⑤⑥と②③④⑦で分かれたとする。このとき①⑤⑥がAで、②③④⑦がBの場合と、①⑤⑥がBで②③④⑦がAの場合とで2通りできるが、「2つのグループに分ける」場合は、このABの部屋の区別は無いので、

小問(1)のときの場合の数からABの区別を無くせばよいので、

\(\dfrac{2^7-2}{2}=63\)   \(63\;\)通り

小問(3)です。

(3)9人を3人ずつ\(\;A\;,\;B\;,\;C\;3\;\)つの部屋に分ける。

まずは正解から。

最初に9人からAに入る3人の選び方で\(\;_9C_3\;\)通り、

残る6人からBに入る3人の決め方が\(\;_6C_3\;\)通り、

残る3人は自動的にCに確定するので選び方は1通り確定です。

つまり、

\(\;_9C_3\;\times\;_6C_3\;=\;\dfrac{9\cdot8\cdot7}{3\cdot2}\times\dfrac{6\cdot5\cdot4}{3\cdot2}\;\)

\(=1680\qquad\qquad1680\;\)通り

これで正解なのですが、

次のような誤答例があります。

【誤答例】

最初の3人の選び方\(\;_9C_3\;\)通り

次の3人の選び方\(\;_6C_3\;\)通り

残る3人の選び方\(\;_3C_3\;\)通り

ABCの並び方が\(\;3!\;\)通り

よって\(\qquad _9C_3\;\times\;_6C_3\;\times\;_3C_3\;\times_\;3!\;\)

\(=10080\qquad10080\;\)通り

何がいけないのでしょうか。

「最初の3人、次の3人、残りの3人を決めて、そこにABC3つの部屋の並び方をかける」

一見合ってそうです。

こういうことが起こる原因は、数学の公式を「こういう問題は確かこの公式」「この問題はこの式で確かこうやって解く」と暗記で使っているから。

問題なのは「暗記の正確、不正確」ではなく、「内容」をとらえていないから。

実は他分野の公式と比較すると、場合の数の単元の公式は「いくつかの便利な計算方法」にすぎず、

実際に問題を解く際には、「それらの計算方法を利用して正確にあてはめた問題ごとの適切な解法」が

必要であり、教科書・参考書の「公式紹介のための基本問題」との差が大きい。

基本問題が示すのは「操作方法」のようなものであり、応用発展問題での「利用」は他の単元の公式と比べて自由度が高く、正しく組み合わせて使うには「理解」していないと使えないことが多いと言えます。

もちろん、理解していないと使えないのはどの単元の公式にも言えることですが、「問題ごとの正確な当てはめに”現場思考”が求められる度合いが高いという意味では、「整数」単元と似た部分があります。

このことは、大学入試において「丸暗記ではなく、数学をきちんと理解しているか、自分の頭を使って考えているかを測る」という最近の入試の傾向にも沿うものであり、場合の数・確率は難関大学の2次試験にも良く出題されています。

「理解していないと使えない」「機械的あてはめができない」といっても、本問のような基礎問題ならば、本来「正確に暗記」するだけでも済む話なのですが、

確率分野の、もう一つ、学生を泣かせる問題点は、「数Aで習った後、復習する機会が無い」ことです。

関数や方程式と異なり、「場合の数・確率」は、ⅢCまで終わって入試演習に入ったり、入試レベルの総合問題などに当たる時期まで、模試を除けば、登場しないため、多くの学生が忘れてしまうことです。

「現在学習中の数学の単元の勉強の中でも自然に復習している「因数分解」や「2次方程式」や「2次関数」などとは異なり、他の単元の基礎学習の中では、ほぼ絡むことはありません。

いつの間にかうろ覚えとなった知識で「何となくこう」のレベルで解くからこのような解答が登場します。

そして、確率分野のもう一つの受験生を悩ます点である「整数などと同様に問題ごとのその場の処理に頭を使わせる」ため、暗記型中心で数学を学習していると薄い現場思考で上記のような誤答が生まれてしまいます。

公式そのものは正確に覚えていても、「なんとなく使っている」ので、

\(_9C_3\times_6C_3\times_3C_3\times3!\;\)でOKと思ってしまうのです。

では、このような誤答にならないようにするには、どうすれば良いのか。

当たり前のことで、どの単元でも言える事ですが、「なんとなく」で解くのではなく「分かって解く」ことです。

分からなければ、その問題のさらに基礎まで遡り、しっかりと理解してから、次に進む。「確かな理解」があってこそ、「正確に当てはめ」が出来るのです。

本問では「A」に入る3人の組み合わせの場合の数は\(\;_9C_3\;\)「9人から3人を選ぶ選び方」で計算済み、次にBに入る3人を\(\;_6C_3\;\)と計算して、Cに入る人は自動的に残りの3人に決まるので、

\(_9C_3\times_6C_3\;\) これで終わりです。

ここにABCの並び方の数として3!をかけるとどうなるか。

例えば9人をゼッケン①~⑨と番号をふると(番号をふらなくても「人」であるから最初からこの問題上では「区別」はあるが、呼びやすくするため)

A部屋(①③⑥) B部屋(④⑤⑦) C部屋(②⑧⑨)・・・(ア)のように分かれたとすると、

A部屋(④⑤⑦) B部屋(①③⑥) C部屋(②⑧⑨)・・・(イ)のように並べ替えたものは、①③⑥が\(\;B\;\)部屋となったりするのだが、それは、\(\;_9C_3\;\)で\(\;A\;\)に選ばれず、\(\;_6C_3\;\)で\(\;B\;\)に選ばれた場合でカウントされており、ここで\(\;3!=6\;\)をかけることは、(ア)と確定した一通りを根拠もなくABCをシャッフルする数をかけて6通り分と多くカウントしてしまっています。

ちなみに、\(3!\;\)が活躍するのは次の(4)の場合です。

(4)

(3)では、3つの組は、\(A\;\)部屋、\(B\;\)部屋、\(C\;\)部屋と区別されているから

(ア)・・・A(①③⑥)B (④⑤⑦)C(②⑧⑨)

(イ)・・・A(①③⑥)B (②⑧⑨)C(④⑤⑦)

(ウ)・・・A(④⑤⑦)B(①③⑥)C(②⑧⑨)

(エ)・・・A(④⑤⑦)B(②⑧⑨)C(①③⑥)

(オ)・・・A(②⑧⑨)B(①③⑥)C(④⑤⑦)

(カ)・・・A(②⑧⑨)B(④⑤⑦)C(①③⑥)

これらは全て区別されている。

しかし、ここでA,B,Cの部屋に誰が入るか、ではなく、

①~⑨の人を単に「3人ずつ3つのグループに分ける」場合だと、上の(ア)~(カ)は全て

①~⑨の人を(①③⑥)というグループと(④⑤⑦)というグループと(②⑧⑨)というグループに分けた一つの分け方であって、(ア)~(カ)の区別などないから、

(4)の答は、(3)の答を\(\;3!=6\;\)で割って得られることになる。

(4)の答

\(_9C_3\times_6C_3\div3!=280\qquad \qquad 280\;\)通り

これは、理解できている人には「当たり前」のような話なのですが、場合の数の計算公式は正しく覚えていても、いざとなると問題が解けない。

また、学校で習った直後は出来ていたが、受験の頃には「でたらめ」に当てはめをやって「解けていない」人は、こういう基本の所をしっかりと理解しないまま「分かったつもり」で終わらせているため(場合の数単元に限らないが)典型問題からちょっと離れてひねられたり複雑化されたりすると手が出ない。また、基本問題、典型問題であっても学校で習ってから時間が経つとうろ覚えで「でたらめ」に当てはめて間違える。

「理解」が不十分な学び方なので、当然「共通テスト」のような「理解の有無を確認するための1クッション考えさせる」だけで出来なくなってしまい、苦戦し、高得点が取れないという結果になります。

場合の数・確率の基本の問題で誤答してしまう人は、「積の法則」や「順列」の公式や「数え上げ」など、基礎を丁寧になぞって、自分がきちんと理解しているか確認して進めていくのが良いと思います。

(5)

①~⑨の人それぞれがA~Cの3通り選べるので\(\;3^9\;\)通り、ここから空部屋が乗じる場合を引きます。

空部屋1部屋の場合

  空部屋Aの場合、残りの2部屋に全員入るということなので、全員がBCどちらか選べると考えて\(\;2^9\;\)通り、ただしこのままだと全員がBまたはCを選んだ場合は空部屋が2部屋になってしまうので、その2通りを引くと、\(2^9-2\;\)通り、空部屋がB,Cの場合も同様なので、空部屋が一つの場合は、全部で\(\;(\;2^9-2\;)\times3\;\)通り、

空部屋2部屋の場合

  全員A,全員B,全員Cの3通り

よって

\(\;3^9-(2^9-2)\times3-3\)

\(=19683-1530-3=18150\)

\(\qquad \qquad 18150\;\)通り

(6)は(5)でABCの区別がなくなるということなので

(6)

(5)の答\(\div3!=18150\div6=3025\qquad \qquad 3025\;\)通り

(7) 誰もいない部屋があってもよい場合

全員がABCの選び方   \(3^6=729\qquad \qquad 729\;\)通り

(8)1部屋空の場合 \((2^6-2)\times3=186\;\)通り

2部屋空の場合→3通り

よって、\(729-186-3=540\qquad \qquad 540\;\)通り

最後の練習問題(9)です。

(9)

まず7人から3人を選ぶ選び方 \(_7C_3\;\)通り、

残りの4人から2人を選ぶ選び方 \(_4C_2\;\)通り、

ここで残りの2人は自動的に確定するので、これで終わりといいたいところですが、

3人組と2人組は入れ替わることはできませんが、

\(_4C_2\;\)で選ばれた2人と残った2人は、残った2人が選ばれた場合、選ばれた側が今度は残るが、2人組同士で区別がつくわけではない(例えば4人をabcdとすると、\(_4C_2\;\)でadが選ばれbcが残ったとするとbcが選ばれてadが残った場合も、adとbcで分かれている事にかわりはなく、区別はない)ので、そのダブり分を割ります。

すなわち、

\(_7C_3\times_4C_2\times\div2!=105\qquad \qquad 105\;\)通り

割っている2!は2個のものの並び方という意味で数としては2ですが2!と書いています。

同じ人数のグループが3つだったとしたら、このダブりを割る数は3!=6ですね。

以上、9問、

これだけ解けば、組み分けの基本としては十分練習になったと思います。

計算をするときに「何の数を出しているのか」「なぜかけるのか」「なぜ割るのか」をちゃんとたどっておくことが「なんとなく」の間違いを防ぐことでもあり、場合の数・確率に強くなる為に必須です。

お疲れ様でした。

次回未定です。