これ、
数学だけでなく、
公務員試験とか、
論理学、
とかにも出てくるやつです。
苦手な人もいると思いますが、
区別がつくようになるために、
色々な例をみていこうと思います。
(1)「鳥肉」であることは「肉(食用)」であるための必要条件か十分条件か
ここでの「肉」は、スーパーなどで売っている、加工品も含めた「食用肉」を指すものとします。(野生の動物その他を含まないなどの意味です。「食べ物」も自然の物などは省いて、スーパーで売っている「食料品」の範疇でイメージして下さい。「今日の夕飯何を作ろう⇒レタスにほうれん草に、豚肉に、米に、」などといった具合に⇒「野菜は食べ物に含まれる」「レタスは野菜に含まれる」など、例として「包含関係」が分かれば良いので)

今日の夕飯のメニューを考えてスーパーで買い物をするとき、
「肉は何にしよう」
「野菜は何を入れよう」
などと考えるときもあると思います。
このとき、
「鳥肉」は「肉」に含まれる。
などといちいち考えないでしょうが、
必要条件・十分条件を学ぶ題材として考えてみましょう。
YESかNO、言えるか言えないか、で考えます。
『「鳥肉」であることは「肉」であるための必要条件か』
考えてみます。
「鳥肉」であることが「肉」であるために必要かな?
「豚肉」だって「肉」なのだから、「肉」であるためには「豚肉」だっていい。
であれば、「鳥肉」であることは「肉」であるためには必要ない。
つまり「鳥肉」であることは、「肉」であるための必要条件ではない。
ということになります。
では、
「十分条件」を考えてみましょう。
『「鳥肉」であることは「肉」であるための十分条件か』
考えてみましょう。
「鳥肉」であることは「肉」であるために十分な条件か。
「鳥肉」であれば、「肉」ですね。もちろん「豚肉」だって「牛肉」だって「肉」ですが、「鳥肉」だっていいわけです。
「鳥肉」であれば十分に「肉」という条件を満たしているわけです。
つまり、
「鳥肉」であることは「肉」であるために十分な条件、「十分条件」といえます。
今度は順序を入れ替えてみます。
『「肉」であることは「鳥肉」であるための「必要条件」か』
考えてみます。
「肉」であることは「鳥肉」であるために「必要?」
「肉」でない「鳥肉」というのはありませんから、
「肉」であることは「鳥肉」であるために「必要」な「条件」、「必要条件」といえます。
「十分条件」はどうでしょうか。
『「肉」であることは「鳥肉」であるための「十分条件」か』
考えてみます。
「肉」であることは、「鳥肉」であるために「十分」な「条件」か。
「肉」であってもそれは「鳥肉」とは限りませんよね。
「肉」であってもそれは「豚肉」かもしれないし、「牛肉」かもしれません。
つまり「肉」であるからといって「鳥肉」とは言えない以上、
「肉」であることは「鳥肉」であるために「十分な条件」「十分条件」とは言えないということになります。
以上の内容を、上の図の「包含関係」で考えると、
「鳥肉」は「肉」に含まれているから、
「鳥肉」であれば同時に「肉」でもあり、「鳥肉」であることは「肉」であるために「十分な 条件」「十分条件」だが「肉」には「鳥肉」の外側、すなわち「鳥肉でない部分」もあるので、
「肉」であるために「鳥肉」であることは「必要ない」つまり「肉」であるために「鳥肉」であることは「必要条件ではない」。
また、
「肉」であっても、「鳥肉」の外側部分の肉もあるので、当然に「鳥肉とは言えず」
「肉」であっても、「鳥肉」であるためには「十分ではない」
ので「肉」であることは「鳥肉」であるための「十分条件ではない」
が、
「鳥肉」の範囲に入るには、当然「肉」の範囲に入っていなければならず、
「肉」の範囲に入っていること、すなわち「肉」であることは「鳥肉」であるための「必要条件」と言えます。
同じようにして、
例えば「レタス」と「野菜」などでも練習してみると、
「必要条件」と「十分条件」の区別、
ベン図の包含関係との相互理解、
少しでも易しく理解できると思います。
では、
通常の高校数学(数Ⅰ)で出てくる問題で練習してみましょう。
\(x,y\)は実数とする。次の( )に最も適する語句を、下記(ア)~(エ)から選びましょう。
(1)\(x=3\;\)は\(\;x^2=9\;\)であるための( )
(2)\(x≧10\;\)は\(\;x>3\;\)であるための( )
(3)\(x<-1\;\)は\(\;x<-7\;\)であるための( )
(4)\(x^2=4\;\)は\(\;x=2\;\)であるための( )
(5)\(x<y\;\)は\(\;x^2<y^2\;\)であるための( )
(6)\(xy>0\;\)は\(\;x>0\;\)であるための( )
(7)\(xy=0\;\)は\(\;x=0\;\)であるための( )
(8)\(xy≠0\;\)は\(\;x≠0\;\)であるための( )
(9)\(x\)と\(y\)がともに無理数であることは、\(x+y\)と\(xy\)がともに無理数であるための( )
(10)△ABCにおいて、∠A<90°は、△ABCが鋭角三角形であるための( )
(ア)必要条件であるが十分条件ではない。
(イ)十分条件であるが必要条件ではない。
(ウ)必要十分条件である。
(エ)必要条件でも十分条件でもない。
(1)\(x=3\;\)は\(\;x^2=9\;\)であるための( )
\(x=3\;\)であれば、\(x^2=9\;\)です。
つまり\(x=3\;\)であることは、\(x^2=9\;\)であるために「十分な条件」と言えます。
では、\(x^2=9\;\)であるために必要な条件か?
\(x^2=9\;\)であるためには\(\;x=3\;\)である必要はなく、別に\(\;x=-3\;\)だっていいわけです。
つまり\(\;x=3\;\)であることは\(\;x^2=9\;\)であるために「必要な条件」ではありません。
したがって
\(x=3\;\)は\(\;x^2=9\;\)であるための「十分条件」であり、
(イ)が正解です。
(2)\(x≧10\;\)は\(\;x>3\;\)であるための( )
\(x≧10\;\)は\(\;x>3\;\)であるために「必要」か。
別にx≧10でなくても、x>3であるためには、x=4とかx=5だっていいわけです。
つまり、\(x≧10\;\)は\(\;x>3\;\)であるために「必要な条件ではありません」。
では「十分」か。
\(x≧10\;\)であれば当然に3よりも大きいです。
つまり\(\;x≧10\;\)であることは、\(x>3\;\)であるために「十分な条件」といえます。
したがって、
\(x≧10\;\)は\(\;x>3\;\)であるための「十分条件」であり、
正解は(イ)です。
3)\(x<-1\;\)は\(\;x<-7\;\)であるための( )
\(x<-1\;\)であることは、\(\;x<-7\;\)であるために必要でしょうか。
\(\;x\;\)が\(\;-7\;\)よりも小さくなるためには、当然に\(\;x\;\)は\(\;-1\;\)よりも小さいという条件はクリアしてないと\(\;-7\;\)よりも小さくなれません。
したがって、\(x<-1\;\)であることは、\(\;x<-7\;\)であるために「必要」な条件、「必要条件」です。
では、
\(x<-1\;\)であれば、\(\;x<-7\;\)であるために「十分」か。
\(x<-1\;\)であっても、\(x=-2\;\)とか、\(x=-3\;\)とか、\(x=-5.8\;\)とか、\(\;x<-7\;\)を満たさないものがあるので、\(\;x<-7\;\)であるために「十分」な条件とは言えません。
したがって、
\(x<-1\;\)は\(\;x<-7\;\)であるための「必要条件」であり、
(ア)が正解です。
(4)\(x^2=4\;\)は\(\;x=2\;\)であるための( )
「必要条件」かを考えます。
\(x^2=4\;\)であることは\(\;x=2\;\)であるために「必要」でしょうか。
\(\;x=2\;\)であれば当然に\(x^2=4\;\)です。
つまり\(x^2=4\;\)ではない\(\;x=2\;\)はありません。
言い方を変えると、
\(x^2≠4\;\)とすると\(\;x\;\)は\(\;2\;\)になれません。
すなわち
\(\;x=2\;\)になるためには\(x^2=4\;\)であることが「必要」です。
よって、
\(x^2=4\;\)であることは\(\;x=2\;\)であるために「必要」な条件です。
次に「十分条件」かを考えます。
\(x^2=4\;\)であっても、\(\;x=-2\;\)かもしれませんので、
\(x^2=4\;\)であるからといって当然に\(\;x=2\;\)とは言えません。
したがって、
\(x^2=4\;\)であることは\(\;x=2\;\)であるために「十分」な条件とはいえません。
よって、「十分条件」ではありません。
正解は(ア)となります。
(5)\(x<y\;\)は\(\;x^2<y^2\;\)であるための( )
\(x<y\;\)は\(\;x^2<y^2\;\)であるために「必要」でしょうか。
例えば、
\(x=2,\;y=-5\;\)とすると\(\;x>y\;\)ですが、
\(x^2<y^2\;\)なので、
\(\;x^2<y^2\;\)であるために\(x<y\;\)である「必要」はありません。
\(x<y\;\)であれば\(\;x^2<y^2\;\)であるために「十分」な条件といえるか。
例えば、
\(x=-7,\;y=-1\;\)とすると、\(x<y\;\)ですが、
\(x^2=49>1=y^2\;\)となり、\(\;x^2<y^2\;\)とはなりませんから、
\(x<y\;\)であれば\(\;x^2<y^2\;\)であるために「十分」な条件とはいえません。
したがって、「必要条件」でも「十分条件」でもなく、
正解は(エ)です。
(6)\(xy>0\;\)は\(\;x>0\;\)であるための( )
\(xy>0\;\)は\(\;x>0\;\)であるために「必要」か。
例えば、
\(x=5,\;y=-3\;\)とすると、\(xy<0\;\)ですが、\(x>0\;\)です。
つまり、\(\;x>0\;\)であるために\(\;xy>0\;\)であることは「必要」ありません。
では、
\(xy>0\;\)であれば\(\;x>0\;\)であるために「十分」か。
例えば、
\(x=-10,\;y=-1\;\)とすると、\(xy>0\;\)ですが、\(x<0\;\)です。
つまり
\(xy>0\;\)であっても\(\;x>0\;\)とはいえず、
\(xy>0\;\)であることは、\(\;x>0\;\)であるために「十分」な条件とはいえません。
したがって、「必要条件」でも「十分条件」でもなく、
(エ)が正解です。
(7)\(xy=0\;\)は\(\;x=0\;\)であるための( )
まず、「必要条件」かを考えます。
\(\;x=0\;\)なら、必ず\(\;xy=0\;\)です。
言い方を替えると、
\(\;xy≠0\;\)で\(\;x=0\;\)にはなりません。
つまり、\(\;x=0\;\)であるためには、\(xy=0\;\)である「必要」があります。
\(xy=0\;\)は\(\;x=0\;\)であるための「必要条件」です。
では、「十分条件」か否か。
\(xy=0\;\)であっても
例えば
\(x=100,\;y=0\;\)かもしれません。
\(y=0\;\)なら、\(x\;\)は、\(1\;\)でも\(\;5\;\)でも\(\;1000\;\)でも\(\;xy=0\;\)なので、
\(\;x=0\;\)とは限りませんので、\(xy=0\;\)であれば\(\;x=0\;\)であるために「十分」な条件とはいえません。
したがって、
(ア)が正解です。
(8)\(xy≠0\;\)は\(\;x≠0\;\)であるための( )
まずは「必要条件」か否か。
\(\;x≠0\;\)であるためには、\(xy≠0\;\)でなければならないか。
例えば、
\(y=0\;\)のときは、\(xy=0\;\)ですが、
\(x\;\)の値は、\(x=2\;\)でも\(\;-10\;\)でも\(\;100\;\)でも\(\;0\;\)でないいくつの値であっても\(\;xy=0\;\)なのに\(x≠0\;\)となれるので、
\(\;x≠0\;\)であるために\(xy≠0\;\)でなくても良いことになりますから、
\(\;x≠0\;\)であるために\(xy≠0\;\)は「必要」な条件ではありません。
では、「十分条件」か否か。
\(xy≠0\;\)であれば、\(x≠0\;\),\(\;y≠0\;\)ですから、
\(xy≠0\;\)であることは\(\;x≠0\;\)であるために「十分」な条件といえます。
よって、(イ)が正解です。
(9)\(x\)と\(y\)がともに無理数であることは、\(x+y\)と\(xy\)がともに無理数であるための( )
まず「必要条件」かを考えます。
例えば、
\(x=1,\;y=\sqrt{2}\;\)とすると
\(x\;\)は有理数、\(y\;\)は無理数ですが、
\(x+y=1+\sqrt{2},\;xy=\sqrt{2}\;\)となり、どちらも無理数になるので、
\(x+y\)と\(xy\)がともに無理数であるために\(x\)と\(y\)がともに無理数であることは「必要」な
条件ではありません。
では「十分」な条件か。
例えば、
\(x=\sqrt{2},\;y=-\sqrt{2}\;\)のとき、
\(x,\;y\;\)ともに無理数ですが、
\(x+y=0\;\)は有理数、\(xy=-2\;\)これも有理数となり、
\(x\)と\(y\)がともに無理数であることは、\(x+y\)と\(xy\)がともに無理数であるために「十分」な条件とはいえません。
したがって、
「必要条件」でも「十分条件」でもなく、
正解は(エ)です。
(10)△ABCにおいて、∠A<90°は、△ABCが鋭角三角形であるための( )
鋭角三角形は、3つの内角すべてが「鋭角」でなければならないので、当然に∠Aも「鋭角」でないといけないので、\(∠A<90°\;\)であることが「必要」です。
\(∠A<90°\;\)であっても、
例えば、
\(∠A=30°,\;∠B=30°\;∠C=120°\;\)であれば「鈍角三角形」
\(∠A=45°,\;∠B=45°\;∠C=90°\;\)であれば「直角三角形」
になってしまうので、
\(∠A<90°\;\)であっても、△ABCが鋭角三角形であるために「十分」な条件とはいえません。
よって、
(ア)が正解です。
お疲れ様でした。
たくさんありましたが、
(5)~(10)などは、高校数学の一般的な知識としても押さえておくと良いと思います。
次回内容未定です。
