「2次不等式と2次関数のグラフ(ⅰ)」
こんどは2次不等式と2次関数のグラフの関係を見ていきます
【1】 上に凸か下に凸か
前回グラフの効率的な書き方の所で、頂点や切片などと共に挙げましたが
上に凸、下に凸の区別は、高校数学での活躍場面は多いです。
詳しくみていきます
上に凸、下に凸を、言い換えると、曲線の部分的な曲がり方がy軸方向上に膨らんでいるか下に膨らんでいるかの区別です。
例えばこれは上に凸と呼ぶということです。
「部分的な」という言い方をしたのは、
数Ⅱや数Ⅲになると一つのグラフの線がxの範囲によって、上に凸だったり、下に凸だったりする関数も扱うためです。
数Ⅰで出てくる2次関数のほとんどは「グラフ全体が上に凸または下に凸」のものになります。
(1)で使った \(y=x^2-4x+3・・・①\) は、「下に凸」ですね
では、①の右辺の符号をひっくり返してみましょう
すなわち
\(y=-x^2+4x-3・・・②\)
こちらは「上に凸」です
実は \(y=ax^2+bx+c \)のグラフの場合、
\(a<0\) のとき「上に凸」、 \(a>0\) のとき「下に凸」になります
①や②の関数に色んな値を入れて試してみてください
ここでついでにもう一つ学びましょう
①のグラフと②のグラフはx軸に関して対称なグラフとなっています
「右辺の符号をひっくりかえした」ということは、
左辺である「yの符号を反対にした」ことと同じですから
同じxの値に対して、①と②では
yの値が、絶対値は同じで符号は反対の値を取る、
ということになりますね
すなわち、グラフがx軸に関して対称になる、ということです
【2】 グラフがx軸より上にある(または下にある)ということ
①のグラフに戻ります。
「x=0のときのyの値はいくつですか?」
といわれたら
「y=3です」
ですよね
では、
「x=0のときのyの値 \(f(0)\) は、
0より大きいですか小さいですか」
といわれたら、\(f(0)>0 \) または、 \(f(0)=3>0 \) ですね
ここで、①のグラフにおいて、
点(0,3)は、x軸より上にありますから、
「点(0,3)において関数①のグラフはx軸より上にある」
といえます。
要するに、x=0のときは、
yの値(f(x)の値)が正、\( y>0 または f(0)>0 \)という
ことです。
では、①のグラフで、\( x軸よりも下 \)になっているのは、
どの部分でしょうか
\(1<x<3 \) の部分ですよね
x=1,3の部分は、y(=f(x))の値がちょうど0になっています
2次関数(1)でやりました、2次方程式 \(x^2-4x+3=0\)
の解になっているx座標です
その2点は含まず、その間
1<x<3 の区間では、
y<0 すなわち \( y=f(x)=x^2-4x+3<0\) ということです。
実際にf(x)のxに1<x<3を満たすxを入れてみてください。
例えば \(1<\dfrac{3}{2}<3\) ですから、 \(x=\dfrac{3}{2}\) のときのyの値、すなわち
\(f(\dfrac{3}{2})\)は、
\(f(\dfrac{3}{2})=(\dfrac{3}{2})^2-4・\dfrac{3}{2}+3=\dfrac{9}{4}-6+3=-\dfrac{3}{4}<0\) となりグラフはx軸
より下になりますね。
1<x<3を満たす他の色んな値を入れても、f(x)<0になります。
1<x<3 の範囲のxの値に対してはf(x)すなわちyは負の値を取るのでこの範囲の①のグラフはx軸の下側を通るわけです。
では、
2次不等式 \(x^2-4x+3<0\) の解は?と言われると、
\(1<x<3\) となります。
左辺である \(x^2-4x+3\) の値が負になるような \(x\) の範囲は
関数①のグラフが\(x\)軸の下に来るような\(x\)の範囲
ということなのです
では、
\(y=f(x)=-x^2+4x-3・・・②\) のグラフを書いて
2次不等式 \(-x^2+4x-3<0・・・③\) の解を考えてみると
2次不等式の左辺である \(-x^2+4x-3\) の値、すなわち2次関数のyの値が負になっているグラフの部分は、 \(x<1,x>3\) の部分ですから
2次不等式③の解は
\(x<1,x>3\)
となります
次回以降(次々回)、他のパターンの2次不等式も見ていきましょう
